衣類害虫の代表と言われる「カツオブシムシ」と「イガ」。
長年調律していない状態で置かれていると、ピアノ内部にもこれらの虫が発生してしまいます。
よって、ピアノ部品が虫食いの被害に遭います。
虫は、幼虫期に動物性の繊維を食べ、多湿で暗い場所を好み生息します。
ピアノ内部にはクロスやフェルトを部品で多く使用しており、ピアノ内部は暗く、虫には格好の餌場、生息場なのです。
「カツオブシムシ」
産卵は年に1回。ゴールデンウィーク前後に産卵し2週間程度で孵化。
約9か月は幼虫期。
「イガ」
産卵は年に3回。
一生の約3分の2が幼虫期。
【生息場所】 鍵盤ブッシングクロスの張られているホール内で生息していることが多いです
虫食い箇所の多くは、赤いクロス(鍵盤ブッシングクロスやバランスパンチングクロス)です。
他のフェルトやクロスも被害に遭う事も有ります。
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虫害に遭わない為には、害虫が活動しやすい環境にしない事です。
虫が活動しやすい環境・・・湿度60%以上、温度15~25℃、餌がある所(皮脂、埃、食べこぼし、繊維など)
【発生を防ぐ方法】
① 毎年調律をして内部点検をし、ピアノ内部の清掃をしてもらいましょう
調律時に外装の取外し、取付を行う事で湿気を開放します
点検する事で被害が初期で防げる可能性が有ります
清掃する事で虫の餌になるもの(埃や繊維など)を取り除きます
② 防虫剤、乾燥剤を内部に入れて毎年交換する
ピアノ内部の湿度を保ち易くし、虫の発生を防ぎます
③ 室温と湿度を年間通して出来るだけ維持する様に心掛ける
室温:25℃前後
湿度:50%前後
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